
法語
蓮は泥土(でいど)の中深くに根を張り、水上に茎(くき)と葉を浮かせ、清らかなまっ白い花を咲かせます。
この汚れた泥土を私達が生きている世界、娑婆(しゃば)に例え、苦しみや欲にまみれたこの世界より清らかな純白の花を咲かす蓮、蓮の花は仏様の象徴なのです。
インドでは古来より蓮を神聖なめでたい花として尊び、国花に定めてきました。 又、有名なお経である「法華経」は正式には「妙法・華経」といい、「最高の真理を表わす、白い蓮華の花のお経」という意味があります。
お寺にいって仏様をよく観察すると、殆んどの仏様(如来や菩薩)は蓮の花の台(うてな)にお乗りになっています。 我々、真言宗のご本尊大日如来は胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)の中で中台八葉院といって八枚の蓮の花びらの中心に描かれています。
仏の中の王という位を象徴的に表わしています。
仏様はこの世の濁悪な欲望や煩悩にさいなまがれながらも、懸命に生きている私達人間に真理の清らかな花が咲くようにいつも見守ってくれているのです。
合掌